カモフカブログ

映画、アニメ、ドラマなど

映画「クレヨンしんちゃん」とか映画「名探偵コナン」とか 2023年新作について

映画「クレヨンしんちゃん」の新作映画についての情報を知り、ちょっと驚いたので書きます。

2023年夏公開の新作は、3DCG作品で、監督・脚本は大根仁とのこと。

3DCGってどうなのか…、と個人的には不安感がありますが。

二次元アニメの、絵ならではの極端な動きというか、クレヨンしんちゃんはそういうのが映像的にも面白いと思っているのですが。

 

更に、監督・脚本は大根仁と、実写映画やドラマで有名な監督ではありますが。

今放映中のドラマ「エルピス」も大根仁が演出を手掛けており、面白く見ています。

これは渡辺あやの脚本が素晴らしいと思いますし、テンポよく進む中での皮肉混じりの政治やメディア描写、映像で見せる心情描写など、演出も良いと思います。

しかしアニメの監督はしていなかったと思うので、どうなのか…と。

どんな作品になるのかと興味はあるので、不安と期待が入り混じる感じでしょうか。

 

また、2023年の映画「名探偵コナン」は、「名探偵コナン 黒鉄(くろがね)の魚影(サブマリン)」4月14日(金)公開予定とのことで。

こちらは監督・立川譲、脚本・櫻井武晴と、映画「名探偵コナン ゼロの執行人」のコンビで、普通に期待しています。

映画「名探偵コナン 純黒の悪夢」が好きなので、同じ脚本・櫻井武晴黒の組織のストーリーということもあり、面白そうかなと。

 

ここのところの映画はミステリー要素よりもサスペンスアクション要素が強いようですが、個人的には謎解き面がイマイチでも、アニメならではの荒唐無稽過ぎるアクションや破壊描写が面白いと思って観ています。

アニメ「チェンソーマン」7話感想 EDというか姿勢が苦手

今回の話は、永久の悪魔とのやり取りが聞きづらかったとかはありますが、原作に沿って映像化してるのだろうという感じでした。

 

原作の1部は未読なのですが、ゲロチューについてはネタバレと言うほどではなくともレビューなどで目に入っていたので、ああ、これが噂のあれか、という感じで。

恋愛ハーレムものにありがちな異性との接触イベントをこなしていくが、幻滅させられる展開が続くという、皮肉なユーモア、パロディとして面白いと思いますし、ビジュアルもインパクトがあり面白かったと思います。

 

が、EDのゲロチュー連呼するようなノリは、個人的には微妙というか苦手というか、完全に冷めて引いてしまったというか。

ゲロチュー面白いだろ、ネタにしてるの面白いだろ、とアピールしてくるような押し付けてくるようなノリが受け付けられませんでした。

原作ファンは既に知っていてネタにしているだろうことなので、楽しいのかもしれませんが。

 

ゲロチュー自体はいいのですが、執拗にそこをイジってくるのが、そこまで面白いか?という気持ちになってしまうというか。

お笑い芸人がネタをした後に、自らウケたところを繰り返しアピールしてくるような。

Youtube動画などで、ちょっとしたハプニングシーンでも繰り返し流したり勿体ぶった効果音を付けたり、ここが面白いとアピールしてるのだろうと感じることがありますが、そんな感じを連想するというか。

 

そういうEDにした製作側の姿勢も苦手な気がするというか。

個人的にそういうノリが合わなかっただけ、ということかもしれませんが。

ドラマ「エルピス」5話感想 1章と2章の違いを考えてみると

ドラマ「エルピス」

フジテレビ系月曜10時~放送中

 

冤罪の調査報道をしたタイミングで再審請求が棄却されてしまい、冤罪を晴らすどころか逆効果になってしまったのかと、調査を中止することにした浅川。

しかし岸本は一人で調査を続け、目撃証言に関する謎に近づいてゆく。

 

3話で1章が終了し、4話から2章とのことらしいですが、冤罪事件を調査するというストーリーは普通に続いているので、章が変わったという感じはあまりしません。

とは言え考えてみると、1章は浅川が失っていた自己を取り戻すまで、2章は岸本が自己を失っていたことを自覚して取り戻そうとしている、ということかなとも思います。

 

1章は政府や警察など社会的な権力の理不尽さ、2章は学校内のいじめや家庭内の暴力など身近な権力の理不尽さにスポットを当てているようにも感じます。

どちらも力を持つ者が弱い立場の者を虐げて、それを反省せずにのうのうと存在しているという構図で。

 

岸本の母親は妙に明るいなとは思っていましたが、その裏にこんな過去があったとは。

こんな過去があるので、それを払拭するために妙に息子に明るく接していたのかもしれませんが。

結果として息子の心を潰してしまっていたけれども、権力に逆らえないような社会で息子を守るためにどうすべきだったのか。

息子のためにしたことだという台詞は責任転嫁だとは思いますが、自分の立場の弱さを自覚している切実な台詞を聞くと母親を責め切れないような。

 

母親役の筒井真理子の豹変ぶり、痛々しい演技も説得力がありました。

個人的には、筒井真理子のイメージとは違って陽気過ぎるキャラクターだなというのも思っていたので、やっぱり陽気なだけではなくこういう苦悩を抱えていたのかとしっくりきたというところも。

 

夫の暴力に耐えていたが今は子どもたちと逃げている証言者の女性、子どもたちとは良好な関係を続けているらしいその女性との対比も印象的です。

どちらも、立場は違えど辛い状況にあった母親を描いているのかと。

 

新たな証拠を手に入れて、これからどう動くのか。

敵か味方か笑顔の中に不穏さもある斎藤の動きも気になります。

真犯人は副総理の息子というパターンかな、などと考えてしまいますが、犯人の意外性よりもどのように権力構造に迫ってゆくのかが見どころだと思っています。

 

映画「ある男」感想 不穏な気持ちを引きずらせる

※ネタバレを含む感想です。

 

原作未読です。

 

安藤サクラ窪田正孝がメインキャストのミステリーということで興味を持ち、観に行ったものです。

 

あらすじ

地方の町で出会った里枝と大祐は、結婚して子どもと共に幸せな暮らしを送っていたが、ある時大祐が事故で帰らぬ人となってしまう。

疎遠だった大祐の兄が法事に訪れた際、遺影の大祐は大祐ではない別人だと言われ、戸惑う里枝。

里枝は弁護士の城戸に大祐を名乗っていた夫・Xについて調査の依頼をする。

城戸はXの正体を追ううちに、別人に成りすましていた理由を知るが……

 

感想

ミステリーでもありますが、社会派の人間ドラマの部分が大きい印象でした。

期待通り出演者の演技が素晴らしく、引き込まれました。

 

里枝を演じる安藤サクラは、何気ない日常の中で涙をこらえる表情に、息子を想う母親の表情など、静かに気持ちがにじみ出るようなリアルな存在感を放っています。

子どもの思い出を話す場面は辛さがひしひしと伝わってきました。

自分の経験に少し重ねた部分もありましたが、それが子どもだったらかなりの辛さだろうと。

 

里枝の夫・大祐役の窪田正孝も、捉えどころのないような朴訥とした空気感から、優しい父親の表情と狂気じみた父親の表情のギャップ、無気力な絶望感を伝えてくる過去の様子など、振り幅のある演技で見応えがありました。

三池崇史監督の「初恋」でも本格的なボクサー役をしていましたし、ボクシングシーンもリアルに感じられます。

ランニング中に倒れる場面は、父の死の知らせを聞いて、この込み上げる感情をどう表現していいのか、当人にも観ている側にも分からないような、言葉にできないなんとも言えない、やるせない印象深い場面でした。

 

弁護士の城戸役の妻夫木聡も、弁護士として安定した生活を送っているけれど、妙に不安定な佇まいを見せる演技が、作品の不穏な空気を醸し出していると思います。

出自について無神経な悪意を浴びせられる、それを笑顔でやり過ごす裏に沸々と怒りを溜めこんでいるような。

 

登場人物の日常を淡々と捉える中に、社会の中に根強くある差別意識も描かれており、理不尽さを強く感じます。

自分ではどうしようもない出自などにより、他人に成りすまして逃れたいと追い詰められるのは、そういう社会の差別意識からかと。

 

そんな中、名前や戸籍などに関係なく、実際に接してその人を知ること、共に過ごして大切に思い合える人間だったという事実、それが重要なのだと思わされます。

終盤、死んだかと思われていた本物の大祐と心配していた幼馴染の再会の場面や、里枝親子の穏やかな会話の場面など、そういう想いが強く伝わります。

 

と、そこでスッと終わるかと思いきや、何故かそれらの場面では暗く響く不穏な音が入っており、そこはかとなく不安をあおられます。

何でこんな演出してるのかと、違和感というか不協和音というか、ある意味インパクトがある演出でした。

普通の展開だと、ここで安らかな音楽が流れて穏やかに終わりそうな流れだと思ったのですが。

 

まだ何かあるのかと思っていると、弁護士の城戸の不穏な日常描写が。

大切に思い合える人間が城戸にはないために、さっきの場面では城戸の心がざわついているような演出だったのだろうか、などと考えてしまいます。

 

そこから不穏な気持ちを引きずらせるラストが、なんとも複雑でした。

大切に思い合える存在のある人に成りすましたい、城戸は自分の人生に絶望して自分の存在があいまいになっているということなのか。

冒頭の場面からすると、もしかしたら城戸は他人に成りすますような言動を繰り返しているのか。

そうやって自分を保っているのだろうか。

 

名前や戸籍や出自などに寄らず、その人を知って大切に想うことも重要だが、その人の苦悩や絶望の全てを理解できるわけではない。

個々の人間を知らずに垂れ流されるヘイトスピーチなど、社会には差別意識はまだまだ存在している。

穏やかな場面の向こう側に、そういう現実の不穏さも示していたのだろうか。

 

など、いろいろと考えさせられます。

 

出演者の演技も素晴らしいですし、淡々と静かな描写に不穏感の漂う演出も良いと思いますし、複雑な余韻の残る作品でした。

アニメ「チェンソーマン」6話感想 ブラックコメディとして面白いです

※一応、ややネタバレがあります。

 

原作(1部)ほぼ未読の感想です。

 

今回はパニックサスペンスなノリで、コベニとパワーのやり取りが面白かったです。

コベニの描写はパニックものにあるあるな錯乱するキャラを誇張した感じで、ブラックコメディに見えました。

パワーとのやり取りの間も良かったと思います。

パワーは人間社会についてあまり知らない、興味ないキャラかと思っていましたが、ノーベル賞とか消費税とか、そういう知識はあるのかと。

人間社会の知識を増やしていっているところ、と言う感じなのでしょうか。

 

コベニについては、どうしてこんな人を雇っているのかとしか思えませんが、デビルハンターは短命とか言っているので、よほど人材不足ということなのでしょうか。

とは言え、コベニの親は相当なクズのようですし、親を亡くしたデンジとの対比も感じます。

 

姫野については、アキの存在が大きいということは分かりますが、アキが刺された時の取り乱しようはどうなのかと。

それだけアキのことを大事に思っている、執着している、ということかとは思いますが、ベテランのデビルハンターかと認識していたので、その割には動揺が激し過ぎるのではと。

取り乱し方がテンプレっぽいというか。

アキを大事に思っているという以上に、何かバディを失った時のトラウマがあるのかもしれませんが。

 

しかし、パワーとニャーコの時もですが、大事なものが失われようとしている時に、ぼんやり見ていたり取り乱したり、それを回避しようとしないのかなと感じました。

素人ではなく、戦いの経験があるプロとしてはどうなのかと。

今回については、駆け寄って止血するとか、ベテランならそういうとっさの判断ができそうな、姫野はそういう仕事のできる先輩感を醸し出していたので。

姫野のこれまでの実績が分からないので、想定外の事態に対応できない人なのか、対応できるけど今回はアキだったから対応できなかったのか、印象が微妙になってしまう部分もあります。

 

速やかに対応できないくらいショックを受けていた、気丈なフリをしているけど心は限界だった、ということなのでしょうか。

それはそれで仕方ないですが、この状況でリーダー的存在の人がこうだと、ちょっと辛いなと。

デンジとパワーの対応を見ていると、デビルハンターが役立たずに見えてしまいますし。

悪魔との闘いでは普通の心を持った人間は無力ということかもしれませんが。

どうやってこの悪魔を攻略するかというエピソードかと思っていましたが、結局何もできない、普通の人間の混乱ぶりや無力さを突き付ける、と言うエピソードだったのかと。

次回、何か活躍したりするのかもしれませんが。

 

コベニが滑稽さを感じるくらいに過剰に取り乱したり、姫野のような落ち着いたリーダーと思われた人物も取り乱したり、そんな中デンジやパワーはしれっとしているという、パニックもののブラックなパロディという印象で楽しめました。

「変な絵」感想 それぞれに語り口の異なる謎解きストーリー

雨穴著「変な絵」を読みました。

雨穴のYoutube動画も好きで、前作「変な家」も面白かったため、今作も読んでみたものです。

 

本の冒頭から、続きが気になりグイグイ読ませる構成で、やはりとても面白かったです。

3つの章と最終章からなるストーリーですが、3つの章はそれぞれに独立した謎解きがあり、語り口の雰囲気も異なり、それぞれに読みごたえがあります。

エピソードが段々と繋がってゆくのも面白いですし、奇妙な不気味な不穏な空気感も印象的です。

 

※以下、ややネタバレを含む感想です。

 

第一章

奇妙なブログに載せられていた5枚の絵。

絵の謎を知ったというブログの管理人は、それ以降更新を止めてしまっていた。

 

その奇妙なブログを見つけた大学生が絵の謎を解き明かそうとします。

最後の投稿以外は一見普通の日記ブログですが、微妙な違和感が。

その違和感が不穏さを醸し出し、絵の謎が解けた時はなんとも言えない恐ろしさで、ビジュアル的にもインパクトがありました。

 

このブログは実際にネット上にあるようで、検索すると見ることができました。

ここまで作っているとは感心します。

 

 

第二章

子供が描いた奇妙な絵。

自分の家をぐちゃぐちゃと灰色で塗りつぶしているのは何故なのか。

 

このエピソードは絵の謎を解くミステリーものであると同時に、得体の知れない恐怖が迫ってくるサスペンスという感じでもあります。

小説、文字の記述ならではの予想を裏切る展開もあり、唸らされました。

 

ちなみにかなり個人的ですが、丁度これを読む3カ月ほど前に引っ越しをして、引っ越し先の部屋がこの話に出てくるのと同じ部屋番号で、妙な気持ちになりました。

最上階というのも同じでエレベーターとの位置関係も似ていて、なんだか不気味さが増し、勝手にシンクロニシティを感じながら読んでしまいました。

 

 

第三章

山中で発見された凄惨過ぎる惨殺死体。

美術教師だった被害者が描いた山並みの絵は、ダイイングメッセージなのか。

 

事件から数年後、被害者の教え子である青年が事件の真相を知るために絵の謎を解いてゆきます。

事件当時の新聞記事の記述が差しはさまれていたり、地道に事件資料を分析したり、ルポ風の語り口で、犯人を推理する王道のミステリーとしても面白いです。

真相にたどり着いたかと思ったら、これも予想外の結末で、しかも恐ろしい。

謎が解ける達成感を期待していたら、地獄に突き落とされたような。

 

絵の謎については、正直、手の可動域とか本当にその状況でそんな風にできるのかな、とも少し考えてしまいますが、トリックや心理などは成程と思いました。

 

 

最終章

全てのエピソードが繋がる最終章です。

冒頭の絵の意味は実はこう解釈されるのかと。

辛い少女時代を経てこういう結果になるのは、複雑な印象ですが。

また、歪んだ母性本能ではありますが、一線を超えるかどうかは状況次第で誰にでも可能性はあるのではないか、と言及する部分も理解できます。

 

それまでのエピソードでの、奇妙な絵を描くに至る心理についても、不安や抑圧の中に愛情も感じられ、なんともやるせないです。

 

ラストは、子供たちの明るい未来を感じさせるもの、と思いきや……

その場面は犯人の人生を連想させるもので、子供思いの父親と子供と距離をおく母親、家族でのバーベキューなど、犯人の暗い影の部分が重なり、不穏な雰囲気も感じざるをえません。

同じ状況でも子供の気持ちを尊重していれば大丈夫、とも、同じ状況はどこにでもあり一歩ずれたら犯人のような結果になりうる、ともとれるかと。

 

どちらにしろ、子供に良い影響を与えられる環境で、子供たちには明るい未来が待っている、という方で解釈したいなと思います。

 

それにしても、雨穴のYoutube動画でも出てくる栗原が登場しましたが、事件関係者に接触するために足を折ったということでしょうか。

と考えると、実はかなりヤバい人なのではと思ってしまいました。

Youtubeでも1章の絵について雨穴が謎解きする動画がアップされていますが、雨穴と栗原のやり取りが面白いです。

動画は雨穴のキャラクターのシュールさに加え、そういうコミカルさも魅力です。

漫画「SAKAMOTO DAYS」9巻感想 まさかの未来予想図

少年ジャンプで連載中のアクションコメディ漫画です。

単行本で読んでいますが、ブラックコメディだと思っています。

 

ぽっちゃり体型の坂本商店店主は、元凄腕の殺し屋。

妻子と幸せに暮らしていたが、過去の因縁から賞金首となり命を狙われることに。

ということで、家族とアットホームに過ごすかたわら、やって来る殺し屋を返り討ちにしたりする日常が描かれます。

 

主人公の坂本は殺し屋を引退したとはいえ、将来娘に近付く男がいたら瞬殺する想像をするなど、ブラックなテイストで笑えます。

 

9巻では、「未来予想図Ⅱ」のあのサイン?!の場面で、かなり笑ってしまいました。

こんな中年世代に響くネタで、しかもあれをこう使うとは、と好感しかありません。

念のため、「未来予想図Ⅱ」は1989年リリースのDREAMS COME TRUEの曲で、有名な曲なので特にファンでなくとも歌詞を知っているものです。

ファンが見たらいい顔はしないかも知れませんが。

 

アクションも本格的に魅せてくれるし、肉弾戦ではありえない破壊規模とか、漫画的な荒唐無稽さも楽しいです。

坂本がその場にある日用品などを利用して敵を倒す描写も面白い。

個人的には映画「ボーン・アイデンティティー」のボールペンがインパクト大だったので、それを思い出したりします。